結論から言うと、自分で決めないと「自分では何も行動できない」人間になるからダメなのです。
我々は、何かを決める時に他者から言われて行動を起こす場合と、自ら決めて行動を起こすのでは、モチベーションがまるで違うという経験をお持ちではないでしょうか?
僕の場合で言うと、ずばり「禁酒」がこれに当たります。
最初は、人から言われました。「酒やめろ」と。これは、相当反発したのを覚えています。
まして、酒しか人生の楽しみがないという頃だったので、「絶対にやめないぞ」と心に決めた位でした(笑)。
ではなぜ、「自分で決める」のが重要なのか?
人間が自分の行動を最終的に意思決定して行動に移すときに使われる脳の部位は、背外側前頭前野です。
この部位は、価値記憶やエピソード記憶、感情記憶をふんだんに参照し、過去の経験から判断します。
しかし、誰かに言われて意思決定すると、この脳機能は使われません。
この脳機能を使う為にも、自分の脳を使って自分で決める事が重要なのです。
「勉強するときに、予習が大事」と言われる訳とは?
考えるとは、思考的な要素が多いと思われがちですが、人は過去の出来事に対して抱いた感情や自分の価値観と照らし合わせてはじめて、「よし、やろう」という事になります。
頭の中では、「こうやると、こうなるから、こうしてみよう」という情報処理をしています。
これを元に何かを体験すると、脳の中でイメージしていた事と実際の現象として起こった事の間に差が生まれます。
その差分がドーパミンを誘導するので、学習効果を高めてくれるのです。
誰かに言われて事前に脳を使わなければ、準備段階がない状態でいきなり体験することになります。
すると、予測したうえで臨むより差分が弱まるため、学習効率は低下します。
これが、「勉強するときには、予習が大事」と言われる所以です。
準備しているからこそ、失敗しても、成功のポテンシャルに注意を向けやすくなります。
その準備こそが、自分で自分のやることを決めるという事です。その試行錯誤が、学びと成長の原動力になります。
あれこれ悩むことの重要性について
「ああでもない、こうでもない」と悩む葛藤状態も脳にとっては非常に重要な機能です。
この葛藤状態を止めてしまうものが「過保護な状態」です。
どうゆうことかというと、この考える工程を親や上司が奪ってしまい自分で考えさせることをさせない状態です。
自分で考えさせず、何でも教えてあげてしまったり、苦しい時にすぐ助けてしまうことは良くないのです。
自分で葛藤し、自分の脳内で葛藤状態を解決して実際に行動するからこそ差分が生じ、ドーパミンが出やすくなります。
過保護になって手を出してしまうと、葛藤状態による脳内での情報処理まで止めることになります。
これでは、脳は育まれません。いつでも誰かに保護されて生きていけるのであれば良いですが、親や上司が常にいるわけではありません。
仕事をするうえで、生きていくうえで自ら意思決定して行動してくことは数多くあります。
この時、葛藤状態を経た脳による意思決定能力が培われていないと、自分では何も行動できない人間になってしまいます。

葛藤状態を数多く経験し、自分で考え、意思決定する経験をし続けてはじめて「いくか」「いかないか」かの意思決定が素早く直感的にできるようになるのです。
もちろん、葛藤は苦しいです。誰でも好きではありません。
しかし、葛藤状態に直面したら、「これを乗り越えたら自分は成長する」と捉えてください。
それだけで、心がリラックス状態になり、モチベーションが高まりやすい状態になります。
自信を持つためにはどうすればいいか?
自分がやっていることについての情報は、脳内に入ってきます。
この情報は、「いままでどのような事をやってきたか」という過去の体験の記憶や、「自分の大切にしていることは何か」などの価値記憶と参照されます。
そのとき、今の自分がやっていることが、過去にやってきたこと、大切にしていることと一致しているかどうかが、自信を育むうえで重要です。
自分を信じるためには、「自分のやっていること、やろうとしていること」を「自分のやってきたことや大切にしてきたこと」と結び付ける必要があります。
この時、自分のやっていることが、脳にある情報とは違う方向に向かっていると「違和感」を感じます。
その違和感を大切にしながら、擦り合わせていくなかで、自分の脳の情報と、実際の言動が一致していくことで、自分を信じられるようになっていきます。
自分のやっていることが、自分の大切にしていること、やってきたことと擦り合されずれがあったらそれに気づいて修正をかけ、実際に行動しながらポジティブな感情もしっかりみる。
このサイクルがうまく回っていると、ようやく自分に自信が持てる状態になります。
根拠のない自信を大切にする
我々は、実績がないにも関わらず「何とかなる」と根拠なく自信を持つ能力を持ち合わせています。
新しいことや未開の領域に先例はない。根拠が持てなくて当然です。
その為、最初に根拠を作っていくプロセスでは「何とかなる」「何とかする」というモチベーションがが重要になります。

挑戦することの大切さ
一番大切なのは、「挑戦し続ける姿勢」です。挑戦して終わりではなくて、そこから得たものを俯瞰的に捉える必要があります。
重要なのは、「挑戦した時の記憶」と「そこから得たものの記憶」を脳で同時に再現することです。
そうして、はじめて、「挑戦すると何かを得られる」という脳の配線ができあがります。
そして、「挑戦自体が価値として認識される」脳は、結果がどうなるかわからないことに対しても、前向きにモチベーションを高めてくれます。
それが、根拠なく自信を持てる状態なのです。
指導者や上司は、相手が何か学びを得たときや成果を出したとき、単に喜んで終わるのでなく、その時「同時」に「挑戦しようとしたとき、挑戦している最中、挑戦のプロセス」を思い返すことが重要です。
その結果、挑戦できる脳、根拠なく自信を持てる脳を育てることができます。

未踏の地の探検家は、リスクを認識しています。そのリスクに対してできる限りの対策や準備をします。
その上で、未踏の地に踏み入る意義ややりがい、その先に見える世界に心躍らせ、前を向きます。
はじめから何かできる人などどこにもいません。それでも、できないのに前に進もうとするのは、「自分はどうにかなる」と思える脳機能があるからです。
この根拠のない自信を馬鹿にするのではなく、多くの新しい挑戦や学びに向かう動力として大切にすることが重要だと思います。
まとめ.
いかかだったでしょうか?我々は、物事を決める時には、「自分で決める」ということが重要であると学んできました。
人から言われて動くのではなく、自分で悩み、葛藤し、自ら決定したことに対してのみ「自信」がつきます。
そして、最後は未知のことに「挑戦」することの大切さが重要であると述べました。はじめはみんな怖いです。怖いけども「勇気」を持って飛び込んでこそ、得られるものがあると思います。
はじめの一歩が一番大切です。皆さん、勇気を持って前に進みましょう!
最後まで読んで頂き、大変うれしく思います。ありがとうございました。
ではでは!


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