人間の体内には、驚くべきシステムが備わっています。それは、「免疫」です。免疫システムとは、体内で病原菌や異常な細胞を認識し、それらを撲滅することによって私たちの体を病気から守ってくれる強力な防衛機構のことです。
「免疫システム」は2段構えで闘う!
免疫システムは、基本的に2つの仕組みから成り立っています。1つは「自然免疫」。常に体内を監視し、侵入者に対していち早く攻撃態勢を整えます。
異物が侵入した初期段階の防衛線です。2つ目の「獲得免疫」は、高度な生命体のみに備わったシステムです。
強い破壊力を持ち、がんなどの強力な敵に対して抗体を持つのもこのシステムのお陰です。免疫は体内に侵入した異物に対し、まず「自然免疫」が攻撃を仕掛け、それでも撃退できない場合は「獲得免疫」が出動するという2段構えを講じています。両者は密接な連携プレーであらゆる状況に対応します。
攻撃の先陣を切る免疫細胞
体内に侵入した外的に対し、最初に攻撃を仕掛ける自然免疫のメンバーは「単球」「顆粒球」「NK細胞」です。これらの免疫細胞が常に体内をパトロールしてくれているお陰で、私たちは病気にならずに済んでいるわけです。
単球 パトロールチーム
「樹状細胞」…異物の情報をリンパ球に伝える攻撃の総司令官。免疫がどれだけ有効に機能するかは、樹状細胞がどれだけ明確に敵を認識するかにかかっていると言っても過言ではない。

「マクロファージ」…死んだ細胞や異物を自分の中に取り込んで処理する。顆粒球を呼び寄せて攻撃を促す。
顆粒球 攻撃チーム
「好中球」「好酸球」「好塩基球」からなり、比較的大きな病原菌を飲み込んで殺滅する
NK細胞 攻撃チーム
「ナチュラルキラー細胞」…リンパ球のひとつ。攻撃性はさほど強くないが単独行動できるのが利点。敵に素早く反応する。
強力な攻撃を仕掛ける免疫細胞
がんなどの強力な敵に対抗する「獲得免疫」もメンバーはT細胞、B細胞といった「リンパ球」です。
リンパ球 攻撃チーム
「B細胞」…主にウイルスなど、小型の外的に対抗する。抗体というミサイルのような武器で戦う。
「T細胞」…がんなどを攻撃する免疫の主力部隊。強力な殺傷能力を有する「キラーT細胞」、それを活性化させる「ヘルパーT細胞」、攻撃をストップさせる「サプレッサーT細胞」など、様々な種類が確認されている。T細胞は各々連携を取りながら、多彩な攻撃を展開する。
免疫のしくみ
免疫は、からだの外部からの侵入者である抗原(細菌やウイルス)に対して免疫細胞などが「自分」と「自分でないもの」を識別して、からだを守る仕組みのことを言います。
免疫学では、「自分=自己」、「自分ではないもの=非自己」と呼んでいます。
自然免疫とは…?
からだの中に細菌やウイルスなどの自分でないものが入ってくると、その侵入者=抗原に対して攻撃をします。このようにからだが自然に反応する最初の免疫を「自然免疫」と言います。
獲得免疫とは…?
同じ種類の「抗原」が二度目に体内に侵入してくると、すでに記憶されている免疫がすぐに反応します。これを「獲得免疫」と言います。
これらの「自然免疫」と「獲得免疫」の働きをするのが、様々な免疫細胞です。免疫細胞は、体内を移動し、抗原を処理しながら、からだを健康な状態に保ってくれます。
免疫細胞はどこから生まれるの?
免疫細胞が生まれ育つ場所は、「骨髄」です。骨髄では、好中球やマクロファージのほか、リンパ球(B細胞とT細胞)、NK細胞、形質細胞などほぼすべての免疫に関わる細胞が生まれています。
免疫細胞の学校とは…?
生まれてきた免疫細胞が教育を受ける場所は、「胸腺」です。骨髄から移ってきたT細胞がさらに教育を受けて、たくましく育つ臓器です。
胸腺は左右二つからなり、心臓の上にかぶさるように位置しています。
思春期頃に最も大きく30~40g程度に達し、成人後は1/2程度に小さくなるといわれています。
T細胞がたくましく育つところ、それが胸腺と言いましたが、試験に脱落する厳しい選択の場所ともいわれています。

免疫細胞たちが仕事をする場所は?
免疫細胞たちはからだ中をめぐる血液とリンパ液に乗って抗原を常に探しながら処理しています。
リンパ系:免疫細胞が育ち、仕事をする場所
リンパ液:血管から染み出た組織液がリンパ管に再吸収されたもの
リンパ管:リンパ液が流れる管
リンパ節:リンパ管ネットワークの要所にある節目
頭部・脚・手など全身から集まったリンパ液が血液にもどる場所が左右の「静脈角」付近にあります。
リンパの流れは、上下から心臓に集まってきます。
リンパ液とリンパ管について
心臓から全身に送り出された血液の一部は、毛細血管の壁にあいた目に見えない小さな隙間から染み出し、細胞と細胞の間を満たす組織液になります。
組織液は血漿やリンパ球で出来ていて、この組織液がリンパ管に取り込まれたものをリンパ液といいます。
リンパ管はリンパ液を再び全身をめぐる血液の流れ戻す働きをしています。
リンパ節のしくみと構造
からだの各所に多数分布しているそら豆状の器官で、直径2~20㎜ほどの大きさで人体に400~700個ほどが関所のように存在しています。リンパ液中のいらない物をろ過したり、免疫細胞たちが皮膚などから入った抗原と戦って処理する場所でもあります。
大きなリンパ節は、喉頸の下、両脇、腹部、脚の付け根、膝などにあり、あやしい微生物を通さないように見張っています。
まとめ.
このように、人体には自己を守るために最初から備わっている「免疫システム」が存在します。
この免疫システムのお陰で、私たちは細菌やウイルスが体内に侵入しても健康を保つことができるのです。
この免疫システムを最大限に働かせるためには、やはり自分自身の健康状態を良好に保つことが重要であり、十分な「睡眠」やバランスのとれた「食事」に気をつける必要があります。
このようなご時世で、「新型コロナウイルス」にも我々は立ち向かっていかなければなりません。
この新たな敵にも我々は打ち勝ち、新たな免疫システムを構築していきましょう!
人類は強いです。自分自身を信じて毎日元気に過ごしていきましょう!
最後まで読んで頂き、大変うれしく思います。ありがとうございました。
ではでは!
【育てるタオル】




にほんブログ村